レジデント体験記③ experience03
勝部 志郎(平成29年入局)
- 氏名
- 勝部 志郎
- 入局年
- 平成29年
- 現在の所属先
- 関東中央病院
眼科を選ぶまで
私と眼科の最初の出会いは学生の臨床実習でした。そのときに感じられたことを挙げてみます。
1.白内障手術後に患者さんが喜んでいる姿をみて、治療効果の実感できる診療科に興味を持った。
2.眼球という視覚を司る臓器に面白みを感じた。
3.臨床実習の豚眼を使った白内障手術体験を通じて、マイクロサージェリーに興味が湧いた。
4.学生の夏季研修でかかわったiPS細胞の臨床応用に向けた研究が眼科領域で進んでいて、今後も眼科領域での再生医療の研究が進んでいくであろうという予感がした。
さらに初期研修2年目に横浜市大の眼科に4ヶ月間ローテートしましたが、そのときに感じたことを思い出してみます。
1.硝子体手術、白内障手術などの顕微鏡手術は最新のテクノロジーを使った、洗練された手術である。
2.顕微鏡で患者さんの眼を拡大してみると虹彩、水晶体、眼底などが美しい。
3.高齢の患者さんが多く、これからますます患者さんのQOL向上が求められるので仕事には困らないであろう。
一方、こんな不安も感じていました。
1.豚眼で白内障手術の練習をしてみると難しく感じられるが、これから手術の十分な技量を身につけられるだろうか?
2.顕微鏡でみても、どの所見に着目すれば良いのかよく分からない。眼底はよく見えない。学生の時には内科の講義、実習のウエイトが高く、眼科の知識は少ないが、やっていけるだろうか?また、せっかくこれまで全身の臓器の勉強をしてきたのに、無駄にならないのか?
研修医の時は色々な科をローテートするので、どの科に進むのかは正直いって迷いました。
最終的には、自分の興味のわく臓器で、治療効果を実感でき、将来性のある科に行ったほうが良いと思い、学生からの興味を貫いて眼科に決めました。
と同時に、どの医局に入局するのかも問題になりました。私の場合は地元が横浜であったことと、初期研修医の2年目に横浜市大センター病院をローテートし医局の様子が分かっていたため、入局を決めました。
眼科に進んだあと
入局後、最初の2年間は市中病院で過ごしました。その病院では多くの症例、術者として白内障手術、レーザー治療の経験を得られました。3年目はセンター病院で網膜硝子体疾患、緑内障などの多くの症例を経験できました。
現在4年目で市中病院で主に緑内障の症例、白内障手術を中心に経験を積んでいます。
ここまでを振り返り、センター病院の医局に入って良かったのは、確実に多くの臨床経験を積めるということです。
白内障手術をはじめとした内眼手術、外眼手術、レーザー治療など、眼科専門医試験の受験に必要とされる症例をはるかに上回る数の症例を比較的早い時期に経験できました。
私は社会人経験を経て医学部に編入した経緯もあり、早く独り立ちしたいと考えていて、早い時期に多くの臨床経験を積めたのが良かったと思います。
また現在は人工知能を臨床応用するための研究にもかかわっており、最新のテクノロジーにも触れて刺激を受けています。
センター病院では研究活動を積極的に推奨しており、研究意欲のある方はサポートを受けられます。
現在は初期研修医のときに感じた不安は特に感じていません。センター病院や関連病院で臨床経験をしっかり積めば怖いことはありません。どのような外科系医師でも様々な手術に立ち向かって行かなければならないのも事実ですが、手術に興味のある方にとってはこれほどチャレンジングな領域も少ないのではないでしょうか。 眼科は臨床、研究と将来のキャリアを幅広く選択できると思います。
ぜひ一緒に働きましょう。お待ちしています。