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北畑医師の論文が国際学術誌tvstに掲載されました
当院助教の北畑将平医師の論文が”translational vision science & technoogy ”に掲載されました。以下北畑先生のコメントです。
幹細胞由来の網膜色素上皮細胞(RPE)を用いた移植治療が注目されています。本研究では、RPE細胞に対する適切な保存法の確立を目指し、保存液中の糖類がRPE細胞に及ぼす影響を検討しました。モル濃度・浸透圧を均一にした上で、各種糖類を含む糖改変培地を用いました。既存培地のグルコースよりもフルクトース改変培地は、接着培養、懸濁液状態ともに細胞生存率が改善しました。液体クロマトグラフィーや低酸素応答を解析したところ、フルクトースでは乳酸産生の抑制、ピルビン酸消費の亢進が起こり、嫌気性代謝の回避、低酸素応答の抑制が見られました。RPE細胞懸濁液はAnoikisや低酸素による細胞死が起こりますが、フルクトースは低酸素状態を抑制することで生存率を改善することが示唆されました。本研究は糖組成の重要性を示し、フルクトースが細胞保存液の組成として有用である可能性を示しました。これらの知見はRPE細胞の長期保存の可能性を示唆し、細胞治療の汎用性を高める可能性があります。
“Effect of the Sugar Present in the Culture Medium on the Preservation of Human RPE Cell Suspensions” Shohei Kitahata; Hinako Ichikawa; Yuji Tanaka; Shin Tanaka; Tatsuya Inoue; Maiko Maruyama-Inoue; Kazuaki Kadonosono. Translational Vision Science & Technology February 2025, Vol.14, 1. doi:https://doi.org/10.1167/tvst.14.2.1