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北畑医師の論文が米学術誌に掲載されました
北畑将平医師の論文が米学術誌”Ophthalmology Retina”に掲載されました。以下北畑医師からのコメントです。
この論文は難治性の黄斑円孔に対して行われる網膜自家移植治療(Autologous Retinal Transplantation)についての報告です。近年、難治性の巨大黄斑円孔に対して周辺の網膜を用いて円孔閉鎖を試みる網膜自家移植が注目されています。
これまで移植後の円孔閉鎖率や視機能に関する報告はありましたが、網膜組織の血流に関しては未知な部分も多く、議論が盛んに行われています。
今回、当施設で網膜自家移植を行った方の移植部位をOCT angiographyや造影検査を用いて血流を評価しました。
術後6ヶ月の時点でおよそ35%の患者さんに移植網膜と周囲網膜の間に血液灌流が存在することが示唆されました。
血液灌流が網膜の機能に重要であることは言うまでもなく、今回の結果は術後の網膜機能について重要な知見として考えています。
今後も移植後の網膜に対して血液灌流の評価や視機能について解析を継続する予定です。引き続き難治性黄斑円孔の方に対して、より良い治療を提供出来るように取り組んで参ります。
“Angiogenesis and Anastomosis on Graft Retina after Autologous Retinal Transplantation”
Shohei Kitahata, MD et. al.
Published:May 17, 2022DOI:https://doi.org/10.1016/j.oret.2022.05.007