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田中慎医師が第16回小児眼科学会賞を受賞しました
当院指導診療医の田中慎医師が第16回小児眼科学会賞を受賞しました。以下田中医師からです。
この度、第46回日本小児眼科学会総会において、「小児眼科学会賞」を受賞いたしました。今回このような賞をいただけたことは、大変光栄に思います。今回私が受賞した内容についてご説明させていただきます。
未熟児網膜症(ROP)に対して、抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)薬であるラニビズマブが硝子体注射される機会が増えています。一方で、抗VEGF薬が未熟児における生理的な毛細血管発育に与える影響も懸念されています。我々は、特に未熟性の高いAggressive posterior ROPにおいてベバシズマブ硝子体注射(IVB)後に重篤な再燃を来した症例を報告しました。これらの症例では、抗VEGF薬治療によって、光凝固では生じない無灌流領域が形成され、重篤な線維血管増殖再燃をきたした可能性が考えられました。抗VEGF薬治療の適応と、長期の慎重な経過観察の必要性について再確認する結果となりました。
今後もこの経験を生かし未熟児網膜症の治療に、より一層努力していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。